【要注意】Amazon整備済み品の中古パソコンをおすすめしない理由

Amazon整備済み品の中古パソコンにご興味をお持ちですか？

タイムセールやプライムデー、ブラックフライデーなどのAmazonのセール期間中「Amazon整備済み品」というタグのついた中古パソコンがたくさん出品されているのを、目にしたことがあるという方も多いでしょう。

普段は中古パソコンに興味があまりない方でも、セールで程度のいい中古パソコンがお得に手に入るのであれば、買い換えてもいいかもとお考えかもしれません。

しかし、当サイトとしては「Amazon整備済み品」の中古パソコンを購入するのは、かなり注意が必要だと考えています。

この記事では、Amazon整備済み品の中古パソコンとはどういったものなのか、口コミや評判を参考にしながら、中古パソコン専門サイトならではの独自の視点で検証します。

Amazon整備済み品って何？

Amazon整備済み品(Amazon Renewed)とは、正常に機能し新品同様に見えるよう、Amazon認定出品者により整備された再生品です(Amazonサイトより引用）。

すべてのAmazon整備済み品には、出品者による最低180日の返品保証が付いています。

Amazon整備済み品の種類は？

Amazon整備済み品はパソコン以外にも多くの商品が対象となっています。

記事執筆時（2023年12月）では上記11カテゴリーの商品が取り扱われていて「お買い得な商品が買える」と人気の商品群となっています。

Amazon整備済み品の基準って？

当サイトは中古パソコンのサイトですので、ここからはAmazon整備済み品の中でも、特にパソコンを中心に話を進めていきます。

さて、Amazon整備済み品のパソコンには一定の品質基準が設けられていて、その基準を満たした商品のみが販売を許される仕組みになっています。

具体的には、

という大きく３つの項目において基準が設けられていて「非常に良い状態」「良い状態」「可」の3段階にランク付けされています。

状態	非常に良い	良い	可
外観の状態	非常に良い状態です。	良い状態です。	使用可能な状態です。
スクリーン	傷はありません。	傷はありません。	画面をオンにすると見えなくなるような浅い傷があります。
本体	本体には、30センチ離れたところから見ても外観上の損傷は見られません。	本体には軽い傷がありますが、商品を30センチ離して持った際にほとんど目に見えません。	本体には30センチ離して持った際に見える傷あり、触ると傷がわかります。
機能面	完全に機能します。	完全に機能します。	完全に機能します。
バッテリー	元の電池残量が、80％以上残っています。	元の電池残量が、80％以上残っています。	元の電池残量が、80％以上残っています。
アクセサリー	付属品または代替アクセサリーが同梱され、梱包されています。	付属品または代替アクセサリーが同梱され、梱包されています。	付属品または代替アクセサリーが同梱され、梱包されています。

Amazon整備済み品｜ Amazonヘルプ＆カスタマーサービス

Amazon整備済み品の注意点

製品に対しての基準が設けられていて、3ヶ月間の返品保証があるAmazon整備済み品ですが、実は中古パソコンに関してはいくつか注意が必要です。

Amazon公式の商品ではない

「Amazon整備済み品」という名前から、Amazonが直接整備・販売している商品かと思われがちですが、実態としてはAmazonは販売の場を提供しているだけにすぎません。
実際に商品を販売しているのは、一般の中古業者だということは覚えておきましょう。

基準がゆるい

Amazon整備済み品の商品基準は先にご紹介した通りですが、その基準は「ゆるい」と言わざるを得ません。
外観も「30cm離れたところから目視」という曖昧なもので、動作についても「完全に機能する」という、中古パソコンとしては当たり前のレベルです。

怪しい業者がいる

すべての整備済み品がそうだとは言いませんが、基準のゆるさを逆手に取った怪しげな業者が散見されます。
いい業者と悪い業者の差は、パソコンに詳しい方なら一眼で区別できるレベルのものですが、それがわからない方も多いでしょう。

【被害例】本当にあったAmazon整備済み品のヤバい話

そんなAmazon整備済み品の中古パソコンを購入して騙されてしまったという被害例をご紹介します。

被害に遭われたのはブロガーのタカヒロさん。

「整備品ー非常に良い」という評価の中古パソコンを購入したところ、なんとキズ隠しのためのシートが全面に貼ってある粗悪品が送られてきたとのこと。

返金されたので事なきをえましたが、よい勉強になりました。整備済み品には要注意。Amazonは認証はしているけど、販売元は別会社だよ。

Amazonの整備済み品の中古パソコンを買ったら、とんでもないものが届いた件 https://t.co/TYG6WHu9b3

— タカヒロ＠ランニング×ブロガー (@kyohirofuku) May 2, 2024

すぐさま返品し、代金は無事返金されたとのことですが、商品の返送にかかった送料1,130円は購入者負担。

無駄な出費と無駄な時間を奪われただけの結果となってしまいました。

Amazonの整備済み品の中古パソコンを買ったら、とんでもないものが届いた件｜No Running No Life

Amazon整備済み品中古パソコンの評判がヤバい？

Amazonで販売される商品には、それぞれ星1～5の評価と口コミコメントがついているのをご存じの方も多いでしょう。

ここでは、Amazonに出品されている整備済み品中古パソコンの中から、おすすめ順で上位に表示された、評価数の多い特定の商品の口コミを調べてみました。

サンプルとして見たのは、ベストセラーランク上位で記事執筆時1.700件以上の評価がついている商品です。

※Amazon規約によりコメント文の転載は禁じられているため、抜粋・編集の上掲載させていただきます。

良い評価（★4～5）

まずは★4～5の「いい評価」のコメントから見ていきます。全体の76%にあたる評価です。

全体の3/4にあたる方々は、このようにとても満足されているようです。

普通の評価（★2～3）

次に★2～3の「普通の評価」をつけたコメントです。全体の15%にあたります。

商品の品質面での不満が目立つコメントが、全体の15％もあるというのは少し気になる部分です。

悪い評価（★1）

そして残念ながら★1「悪い評価」をつけたコメントも紹介します。全体の9%にあたります。

Amazon整備済み品中古パソコンの評判はどうなの？

実際の口コミを見てどんな感想を持たれたでしょうか？

取り上げたコメントは「ある特定の商品」につけられたものですが、通常であれば、特定の商品の評価がここまでバラつくのは稀です。

いくら中古パソコンとはいえ、同じ商品として同じ価格で販売するのであれば、最低限コンディションは同等に保つ必要があるからです。

しかしコメントから推察すると、この商品では品質チェックがしっかり行われていない可能性があります。

「非常に良い」コンディションで出品される商品であれば、「キズが多い」「充電できない」といった不良は、出品前のチェックで弾かれてしかるべき。

それがそのまま販売されてしまっているのであれば、業者にもAmazonにも少なからず問題があると言わざるを得ません。

【実態】Amazon整備済み品中古パソコンの一例

それでは、整備済み品として実際に売られている中古パソコンとは、一体どんなものなのでしょうか？

下の写真は、記事執筆時（2023年12月）に、実際にAmazonで販売されていた整備済み品の中古パソコンの一例です。

富士通 ハイスペックノートPC
■爆速第4世代Core i7/テンキー内蔵/Office 2019/Win 11/15.6型/無線WIFI/USB 3.0/HDMI/DVDドライブ/初期設定済 (整備済み品) (4)【MS Office・第4世代Corei7】8GB/256GB/10キー)
価格：23,799円

Amazon整備済み品中古パソコンの問題点

このパソコンを一眼見て「ヤバい」と感じた方は大丈夫ですが、どこがヤバいのかわからない方も多いでしょう。

そんな方は、残念ながら悪徳業者の「いいカモ」になってしまうかもしれません。

そこで「カモにならないために」このサンプルとして取り上げたAmazon整備済み品中古パソコンの何がヤバいのか、その問題点を解説します。

問題点1｜第4世代Core i7は2013年製

まずこの商品の一番の問題点は、搭載されているCPUが第4世代だということ。

第4世代のインテルCPUは2013年製。つまりこのパソコンは「10年前の製品」だということです。

「爆速」と称されていますが、それは新品で販売されていた当時の話。

いくらCore i7とは言っても10年前のCPUでは、今ではとても使い物になりません。

中古パソコンを選ぶ際は「Core i7」というモデル名だけでなく「世代（＝年式）」を必ず確認しましょう。

問題点2｜Windows 11の動作条件を満たしていない

次に、このPCに搭載されているOSはWindows 11との事ですが、このパソコンに搭載されている第4世代のインテルCPUは、Windows 11の動作要件を満たしていません。

このPCは「最新OS搭載」を謳いたいがために、無理やりOSをインストールした「魔改造モデル」です。

Windows 11には、Microsoftが制定した動作要件というものがあります。代表的な例としては第8世代以降のインテルCore iシリーズなどがそれにあたりますが、詳しくは下記のマイクロソフト公式ページでご確認ください。

Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する｜マイクロソフト

Windows 11 でサポートされている Intel プロセッサ｜マイクロソフト

問題点3｜Officeも非正規品の可能性が濃厚

「MS Office 2019内蔵、全て初期設定済、到着後すぐに使用できます」。

この表記もかなり問題ありです。

Microsoft Officeの正規品は、製品にあるプロダクトキーとユーザー本人のMicrosoftアカウントを紐づけることによって有効化されます。

「すでにインストール済みで使える状態」なのは、他のユーザーアカウントに紐づけられた非正規品の可能性が濃厚。

ある日突然使えなくなってしまったり、再インストールができないといったトラブルが想定されます。

また、そもそもMS Office 2019はすでに販売終了の商品。標準サポートも2023年10月ですでに切れてしまっています（延長サポートは2025年10月まで）。

例え正規品であっても、すでにサポート切れしている商品をしれっと販売するような業者はあまり感心できません。

問題点4｜新品SSD搭載で起動「だけは」速い

このPC、実はAmazonの評価は「3.9」と決して悪くないのです。

これは内蔵ストレージが新品のSSDに載せ替えられていることが、理由としては大きいと思っています。

何も入っていない空のSSDは、起動や書き込み、読み取りがめちゃくちゃ速いからです。

これまで使っていた古いHDD搭載パソコンに比べれば、当然起動は速いので「すごい！速い！」と勘違いしてしまう方が多いのも頷けます。

しかし速いのは起動や読み込みだけで、パソコンの性能は10年前のもの。

新品とはいえ256GBのSSDなんて2,000円くらいで買えますから、トータルで考えると、とても2万円以上の価値がある商品とはいえません。

問題点5｜外観チェックも当てにならない

先ほどご紹介したブロガーさんの例にもある通り、傷だらけの本体にシールを貼ってごまかすような業者も横行しています。

「30cm離れたところから見て」という外観チェック基準は、ほとんど意味を持たない、当てにならないものとなっています。

すべての整備済み品がこのような悪徳商品だとは言いませんが、このような商品には決して手を出さないよう、注意が必要です。

中古パソコンは専門店で買うのが正解

当サイトとしては、中古パソコンは信頼できる専門店から購入するのをおすすめしています。

専門店で購入するメリットは非常に多く、中古パソコン購入時の注意点をほぼクリアできるのですが、ここでは論より証拠。

サンプルとして紹介した「 Amazon整備済み品」と同価格帯（25,000円以下）で、どのような商品が買えるのかを調べてみましょう。

Be-Stock｜高品質！1年保証！

Windows 11 インストール済の第8世代Core i5搭載モバイルノートがこの価格。この個体はスピーカーが不良ということで価格が安くなっているようです。音声はイヤホンを使うという方におすすめです。

「Be-Stock」について詳しくは下記の記事もご覧ください。

このように、中古パソコン専門店の商品の方がCPU世代（＝年式）も新しく、選択の幅が広いことがおわかりでしょう。

結論：中古パソコンは専門店で買いましょう

おすすめ中古パソコン専門店5選

それではここまでお読みただいた皆さんのために、数ある中古パソコン専門店の中から、本当に信頼できるおすすめのショップを5つご紹介します。

おすすめ①｜Be-Stock

おすすめ②｜Qualit(クオリット)

おすすめ③｜PC WRAP

おすすめ④｜IOSYS(イオシス)

おすすめ⑤｜JUNK WORLD（ジャンクワールド）

まとめ｜「Amazon整備済み品」の中古パソコンってどうなの？

「Amazon整備済み品」の中古パソコンについて解説してきました。

「Amazon整備済み品」という名前から、信頼できるいい製品というイメージが先行しがちですが、こと中古パソコンに関しては注意が必要です。

この記事がみなさんの中古パソコン選びの参考になれば幸いです。